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『邪馬台国と大和朝廷』の感想この著者の文庫本は、過去に何冊か読んでいるのですが、今回の新書は、他の本より力が入っている内容でした。過去の議論を年代順に説明し問題点を指摘していく手際のよさはすばらしいと思いました。かつてどこかで読んだけれど、誰が言ったのか忘れていたこととか、聞いたことのある説だけれど、そんな昔から言われていた説だったのかという様な感じで、頭の中が整理されました。 大和には刺青の習慣は無いということを重視し、邪馬台国北九州説を採っているというのは、『魏志倭人伝の考古学』と同じです。大和ではむしろ刺青は犯罪者の印だったという指摘をするに留めていますが、邪馬台国の人々は占領された後、熊襲や隼人と同じような立場に追いやられたのでしょうね。 あと、卑弥呼が倭国の王になる前に邪馬台国の王になっていたはずだとして、その年代を推定してみせたりしていました。こういうちょっとした疑問にまで答えを出しているのも、他の古代史の本と比べて読後感が格段にすっきりしている理由でしょう。最初に、この本を読んでいたら、何冊も続けて、古代史関係の本を読んだりしなかったかも知れません。 東征論については、古墳の広がっていく方向が違うので、やはり、頼りにしていた中国が乱れると、それきり力を失い、周囲の国が大和政権になびきついには、邪馬台国も大和に征服されて歴史から消えていったという説明になっていました。
作成 2004/6/8 - 更新 2004/06/09 |
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